寝室の壁紙で睡眠の質を向上|おしゃれで機能的な色選びのコツを紹介
寝室の壁紙を変えるだけで、毎日の眠りやリラックスタイムがぐっと快適になるとしたら気になりませんか。
心が落ち着くカラーや安眠しやすいデザインの選び方、賃貸でも安心して使える「はがせる壁紙」、さらにはDIYと業者依頼の費用差まで知っておくと失敗しにくいです。SNSで見かけたようなおしゃれなインテリアも、ちょっとした工夫で自分の部屋に取り入れられます。
お気に入りの壁紙をアクセントとして使うことで、理想の雰囲気をつくるためのヒントをご紹介します。
寝室の壁紙の色とデザインはどう選ぶ?
寝室を心から安らげる空間にするためには、壁紙の色とデザイン選びがとても重要です。ここでは、睡眠の質を高める色の基本から、お部屋をおしゃれに見せるための具体的な方法までを解説します。
- ぐっすり眠るための安眠効果がある色の知識
- お部屋の印象を変えるアクセントクロスの使い方
- 運気を整える風水と方位別の色選び
- インテリアに馴染む家具や床との調和
選び方(1)安眠効果のある色の基本知識
質の高い睡眠を得るためには、寝室の壁紙にリラックス効果のある色を選ぶことが大切です。色は人の心理や身体に大きな影響を与え、寝室の壁という広い面積で使う色は、睡眠環境を左右するからです。
英国のホテルチェーンTravelodgeの調査では、青色の壁紙を使った寝室で眠る人は、平均睡眠時間が7時間52分と最も長くなるという結果が報告されています。青色には心拍数や血圧を落ち着かせ、心身をリラックスさせる副交感神経を優位にする働きがあるため、自然と眠りに入りやすい状態を作ってくれます。
同様に、木や森といった自然を連想させる緑色もおすすめです。緑色は目に優しく、安心感や調和をもたらす色として知られており、寝室に安らぎの雰囲気を与えてくれます。
これらの色は温かみがあり、緊張を和らげる効果が期待できるため、リラックスしたい寝室の空間に非常に適しています。このように、寝室の壁紙は色彩心理学の観点から、鎮静効果のある青や緑、または心を穏やかにする中間色を選ぶことが、快適な睡眠へつながるのです。
出典:Travelodge、THE SECRET TO A GOOD NIGHT’S SLUMBER IS TO SLEEP IN A BLUE BEDROOM
選び方(2)アクセントクロスの効果的な使い方
寝室全体の壁紙を変えるだけでなく、壁の一面だけ色や柄を変えるアクセントクロスを取り入れることで、空間をおしゃれに演出できます。アクセントクロスは、部屋にメリハリを生み出し、手軽に個性を表現できる有効な方法ですが、安眠を妨げないためには場所と面積の選び方が重要になります。
寝室でアクセントクロスを設置するのに最も適した場所は、ベッドのヘッドボード側の壁です。この場所であれば、ベッドに横になったときに直接視界に入らないため、少し濃い色や大胆な柄を選んでも睡眠を邪魔することがありません。
眠りにつく瞬間に刺激的な情報が目に入らず、リラックスした状態を保ちやすくなります。取り入れる面積は、部屋の壁全体の2割から3割程度に抑えるのが基本です。多すぎると落ち着かない印象になり、少なすぎると中途半端に見えてしまうからです。
インテリアの配色には「70:25:5の法則」という基本があります。壁などのベースカラーを7割、家具などのメインカラーを2.5割、そして小物のアクセントカラーを0.5割にすると、バランスの取れた美しい空間が作れます。
最近のトレンドは、セージクレイやソフトトープのような、自然から着想を得た穏やかで優しい色合いです。これらの色は主張しすぎずにリラックス効果も期待できるため、寝室のアクセントとして最適です。アクセントクロスを上手に活用し、機能性を損なうことなく、ホテルのような洗練された雰囲気や自分だけの特別な空間を作れます。
選び方(3)風水を取り入れた方位別の色選び
壁紙の色を選ぶ際に、古くから伝わる風水の考え方を取り入れるのも一つの方法です。風水の方角と色の組み合わせによって運気を整えるという考え方は、心地よい空間作りのヒントになります。寝室がどの方角にあるかによって、以下のように相性の良い色が変わるとされています。
北向きの寝室は一日を通して冷たい光が差し込むため、イエローやオレンジ、ピンクといった暖色系の壁紙で視覚的な体感温度を上げることが推奨されます。南向きの寝室は明るく暖かい光が豊富なため、爽やかなブルーやグリーンで涼やかさを演出すると良いでしょう。
東向きの寝室には朝日が気持ちよく差し込むため、白やオフホワイトをベースに温かみのある小物で調整します。西向きの寝室は強い西日の影響を受けるため、淡いグリーンやブルー、紫系の壁紙で熱感を和らげることが効果的です。
| 方位 | 寝室の特徴 | おすすめの壁紙の色 |
| 北 | 光が入りにくく、涼しい印象になりやすい | ピンク、クリーム、オレンジ |
| 南 | 日当たりが良く、明るい光が豊富に入る | オフホワイト、ベージュ |
| 東 | 爽やかな朝日が差し込む | 水色、黄緑色 |
| 西 | 強い西日が差し込みやすい | 黄色、ピンク |
風水はあくまで参考の一つですが、部屋の方角や日当たりといった実際の環境条件と、自分自身の好みを組み合わせながら色を選ぶことで、より愛着のわく、納得のいく寝室作りができるはずです。
選び方(4)家具や床との調和を考えた配色術
壁紙は単体で選ぶのではなく、寝室にあるインテリア全体との調和を考えて選ぶことが、統一感のある美しい空間を作る上で非常に重要です。お部屋の大部分を占める床や、中心となる家具の色を基準に、相性の良い壁紙の色を見ていきましょう。
| 床や家具の色 | おすすめの壁紙の色 | 演出できる雰囲気 |
| ダークブラウンの床 | アイボリー、ベージュ | 重厚感のある落ち着いた空間 |
| ナチュラルな色の床 | 淡いグリーン、ブルーグレー | 爽やかで開放的な空間 |
| 温かみのある木製家具 | ベージュ、アイボリー | 自然で統一感のある温かい空間 |
| 黒や白のモダンな家具 | グレー、ネイビー、グレージュ | 洗練された都会的な空間 |
また、照明の色も壁紙の見え方に大きく影響を与える要素です。寝室でよく使われるオレンジがかった温かみのある電球色の下では、昼間の自然光で見たときよりも色が濃く、温かい色合いに見える傾向があります。
例えば、クールな印象のグレーが、夜には柔らかいグレージュに見えることもあります。そのため、壁紙を選ぶ際は、必ず大きめのサンプルを取り寄せ、実際の寝室で確認することが失敗を防ぐためのポイントです。
全体の調和を考えることで、壁紙がインテリアの一部として溶け込み、心からリラックスできる寝室が完成します。
寝室の壁紙に機能性を取り入れるメリット
最近の壁紙はお部屋を装飾するだけでなく、日々の暮らしをより快適にするための様々な機能を持っています。ここでは、寝室環境の悩みを解決してくれる代表的な機能性壁紙のメリットを紹介します。
- 吸放湿機能による湿度コントロールでカビ・ダニ対策
- 消臭・抗菌機能による清潔で安心な空間づくり
- 抗アレルゲン機能による花粉・ダニアレルギー対策
- マイナスイオン機能によるリラックス効果の向上
メリット(1)吸放湿機能で湿度をコントロール
寝室に吸放湿機能付きの壁紙を取り入れると、一年を通して快適な湿度環境を保ちやすくなります。特に湿気が多い日本の気候において、この機能はカビやダニの発生を抑制する大きなメリットとなるでしょう。
吸放湿壁紙の表面には、湿気を吸収・放出する無数の小さな孔が開いています。室内の湿度が高いときには空気中の水分を吸収し、乾燥しているときには蓄えた水分を放出することで、室内を適度な湿度に調整する仕組みです。
この働きは、冬場の窓際に発生しやすい結露を軽減する効果も期待できます。結露はカビやダニ繁殖の主な原因となるため、湿度をコントロールすることは、健康的な睡眠環境の維持に欠かせません。
例えば、北向きで日当たりが悪く湿気がこもりやすい寝室や、換気がしにくいクローゼットなどに使用すると、その効果を特に実感しやすいでしょう。除湿機や加湿器と違い、電気を使わずに壁紙自体が自動で湿度を調整してくれるので、省エネという利点もあります。
さらに、機器の運転音がないことから、静かな環境が求められる寝室には最適な選択肢と言えます。このように壁紙を変えるだけで、ジメジメした不快感や過度な乾燥から解放され、より心地よい眠りを得られるのです。
メリット(2)消臭・抗菌機能で清潔な空間作り
一日の約3分の1を過ごす寝室は、常に清潔でありたい空間です。消臭・抗菌機能を持つ壁紙は、そんな願いを叶え、目に見えないニオイや菌の問題を解決してくれます。
壁紙の表面には、ニオイの元を分解する光触媒などが加工されているのが特徴です。そのため、汗や体臭、ペットやタバコのニオイといった生活臭を効果的に分解・消臭してくれます。
芳香剤のようにニオイを上書きするのではなく、原因物質を元から分解するため、常にクリーンな空気を保てます。空気清浄機では対応しきれない、壁自体に付着したニオイにまで効果が及ぶ点も大きな魅力でしょう。
さらに、抗菌機能が備わっている製品も多く見られます。壁紙の表面に付着した細菌の増殖を抑制する効果があるため、小さなお子様やお年寄りがいるご家庭でも安心です。
壁は部屋で最も面積が広く、ホコリや菌が付着しやすい場所だからこそ、その壁自体が清潔さを保つことで部屋全体の衛生レベルが向上します。在宅勤務などで寝室で過ごす時間が長い方にとって、この機能は心強い味方となるでしょう。
特別な手入れは不要で、壁紙が24時間働き続けてくれるため、手軽に清潔で快適な寝室環境が手に入るのです。
メリット(3)抗アレルゲン機能でアレルギー対策
アレルギー症状に悩む方にとって、寝室はアレル物質が溜まりやすく注意が必要な場所でもあります。抗アレルゲン機能付きの壁紙は、そんな悩みに応え、空気中のアレルギー原因物質を抑制する有効な対策の一つです。
この壁紙の表面には、アレル物質の働きを抑える特殊な薬剤がコーティングされています。壁紙に付着したスギ花粉やダニのフン・死骸などがこの薬剤と接触すると、アレルギー反応を引き起こしにくい状態へと変わるのです。
ある製品のデータでは、壁紙に付着したダニアレル物質を約82パーセント、スギ花粉アレル物質を約72パーセント低減させる効果が確認されました。こうした効果や安全性は、SIAAのような第三者機関が認証している製品もあるため、安心して選ぶことができるでしょう。
寝室は布団やカーペットなど、ダニや花粉が付着しやすい環境です。通常の掃除だけでは取り除けないアレル物質に対し、壁紙が常時対策してくれるのは大きなメリットと言えます。
特に、花粉シーズンに症状が悪化する方や、ハウスダストに敏感なご家庭にはおすすめです。薬だけに頼るのではなく、住環境そのものを見直すことで、アレルギー症状の緩和も期待できるでしょう。先に紹介した吸放湿機能と組み合わせれば、ダニが好む高湿度環境も改善されるため、より高い対策効果が見込めます。
メリット(4)マイナスイオン機能でリラックス効果
心身の疲れを癒やす寝室には、より深いリラックス効果をもたらす環境が求められます。マイナスイオン機能付きの壁紙は、まるで自然の中にいるかのような癒やしの空間を室内に作り出し、質の高い休息を促してくれるでしょう。
この壁紙には、トルマリンなどの天然鉱石が練り込まれているのが特徴です。これらの鉱石は、周囲の水分などに反応し、半永久的にマイナスイオンを発生させる性質を持っています。
マイナスイオンは、滝の周辺や森林といった自然豊かな場所に多く存在することで知られ、リフレッシュ効果やリラックス効果があるといわれています。具体的には、人間の自律神経のうち、心身を落ち着かせる副交感神経に作用し、精神的な緊張を和らげる効果が期待できるのです。
日中の活動で高ぶった交感神経から、夜のリラックスモードへとスムーズに切り替える手助けをしてくれます。日々のストレスが多い方や、より深い眠りを求めている方には、特に適した機能と言えるでしょう。
アロマや音楽といったアイテムに加え、空間全体を構成する壁紙から癒やしを得ることで、寝室はより特別なリラックス空間へと変わります。化学的な香料を使わず、壁紙自体が持つ自然の力で快適な環境を作り出せるため、ナチュラルなライフスタイルを好む方にもおすすめです。毎晩、森林浴をしているかのような穏やかな空気の中で眠りにつけるのは、この壁紙ならではの大きな魅力です。
寝室の壁紙を選ぶ際の注意点
理想の寝室を作るために壁紙を選ぶ際には、デザインや機能性だけでなく、知っておくべきいくつかの注意点があります。「こんなはずではなかった」と後悔しないために、価格、デザイン、施工の3つの観点から事前に確認しておきたいポイントを解説します。
- 機能性壁紙のコストパフォーマンスと予算計画の重要性
- デザイン選択肢の制約と妥協点の見つけ方
- 施工難易度と賃貸住宅特有の制約への対応策
注意点(1)機能性壁紙は価格が高くなりやすい
快適な寝室環境を実現してくれる機能性壁紙は非常に魅力的ですが、一般的な壁紙と比較して価格が高くなる傾向があることを理解しておく必要があります。多機能であるほど製造コストがかかるため、その分が製品価格に反映されるからです。
通常のビニールクロスであれば、材料費は比較的安価に抑えることができます。しかし、それに加えて調湿機能や消臭・抗菌、抗アレルゲンといった特別な機能が付加された壁紙は、同じ面積でも価格が1.5倍から2倍程度になることも珍しくありません。
壁紙の価格は1メートルあたりの単価で表示されることが多く、寝室全体の壁に施工するとなると、その差額は数万円単位になる可能性があります。また、賃貸住宅向けのはがせるタイプの壁紙も、特殊な粘着剤や加工が施されているため、通常の壁紙よりも割高になります。
予算を計画する際には、この価格差をあらかじめ考慮しておくことが重要です。コストを抑えたい場合は、全ての壁に機能性壁紙を使うのではなく、特に効果を得たい壁の一面だけに取り入れるといった工夫も有効です。
例えば、湿気が気になる北側の壁にだけ吸放湿機能付きの壁紙を使うなど、必要な場所に限定して投資することで、費用対効果の高い選択ができます。全ての機能を求めるのではなく、自分のライフスタイルや寝室の環境に合わせて、本当に必要な機能は何かを冷静に見極めることが、予算内で満足のいく壁紙選びにつながります。
注意点(2)デザインの選択肢が限られる場合がある
壁紙に特定の機能を求めると、デザインのバリエーションが限られてしまう可能性がある点も注意が必要です。最新の技術を使っている機能性壁紙は、まだ開発途上にあるデザインも多く、一般的な壁紙ほど豊富な選択肢が揃っていないのが現状です。
一般的な壁紙のカタログには、数千種類にも及ぶ色、柄、素材のバリエーションが掲載されています。しかし、消臭や抗アレルゲンといった機能を持つ壁紙の場合、その選択肢は数百種類程度にまで絞られます。
機能性を重視した製品は、白やベージュ、グレーといった無地でシンプルなデザインが中心となりがちです。そのため、海外ブランドのような凝ったデザインや、繊細な模様、個性的なテクスチャーの壁紙を探している場合、希望する機能と両立できる製品を見つけるのは難しいかもしれません。
例えば、人気の木目調やレンガ調、ヘリンボーン柄なども、機能付きの製品となると選べる種類が大幅に減ってしまいます。もし「デザインも機能も絶対に妥協したくない」と考えるのであれば、解決策の一つとして壁紙の使い分けがあります。
例えば、寝室で最も気になる一面にだけ機能性壁紙を施工し、他の壁にはデザイン性を重視した好みの壁紙を選ぶという方法です。この方法なら、コストを抑えながら、デザインの満足度と生活の快適さの両方を実現することができます。機能性を優先するか、デザイン性を優先するか、あらかじめ自分の中での優先順位を決めておくことが大切です。
注意点(3)施工や張り替えが難しいケースがある
機能性壁紙は一般的な壁紙よりも厚手で硬い素材でできていることが多く、DIYで施工する際の難易度が高いという点も注意が必要です。また、賃貸住宅で使えるはがせる壁紙も、壁の材質との相性によってはトラブルが起きる可能性があります。
一般的なビニールクロスは比較的柔らかく、初心者でも扱いやすいですが、表面に特殊なフィルムがコーティングされている防汚機能付きの壁紙などは、硬くて曲がりにくく、カッターでの裁断にも技術が必要です。無理に作業を進めると、つなぎ目がきれいに収まらなかったり、空気が入ってしまったりと、仕上がりに満足できない結果になるかもしれません。
さらに、賃貸住宅で人気のはがせる壁紙ですが、全ての壁に対応しているわけではありません。特に、もともとの壁紙に汚れ防止や撥水加工が施されている場合、粘着力が弱くてうまく貼れない、あるいはすぐに剥がれてきてしまうことがあります。
逆に、経年劣化した壁紙の上から貼ると、剥がすときに下地まで一緒に剥がしてしまい、高額な修繕費を請求されるリスクも考えられます。こうした失敗を防ぐために最も重要なのが、施工前のパッチテストです。
まず、目立たない場所で壁紙の切れ端を実際に貼ってみて、数週間から1ヶ月ほど様子を見ます。その後、きれいに剥がせるか、下地を傷つけないかを確認することで、本格的な施工に移る前に相性をチェックできます。
もしDIYでの作業に少しでも不安を感じる場合は、無理をせず専門の業者に依頼することを検討しましょう。確実な仕上がりと安心感を考えれば、プロに任せるほうがよいかもしれません。
寝室の壁紙選び・おしゃれなコーディネート術
理想の壁紙を選ぶために、具体的なコーディネートのヒントやアイデアを知ることはとても参考になります。ここでは、人気のインテリアスタイルから施工方法の比較、壁紙がもたらす効果まで、あなたのイメージを膨らませるためのヒントを紹介します。
- コーディネート術(1)人気のスタイル別・おしゃれな組み合わせ
- コーディネート術(2)DIYと業者依頼・仕上がりと満足度の比較
- コーディネート術(3)壁紙がもたらす睡眠と暮らしへの効果
コーディネート術(1)人気のスタイル別・コーディネート術
壁紙の色や柄を効果的に使うだけで、寝室の雰囲気は大きく変わります。ここでは、人気のインテリアスタイル別に、おしゃれな空間を作るためのコーディネートのヒントを見ていきましょう。
多くの人が憧れる、ホテルのような上質で落ち着いた空間を目指すなら、色数を抑えたシックな色選びが大切です。例えば、壁全体を落ち着いたグレージュの無地で統一し、ベッドの頭側の壁一面だけに、少し濃いめのネイビーやチャコールグレーのアクセントクロスを取り入れると良いでしょう。
素材感のあるテクスチャーの壁紙を選ぶと、さらに高級感がアップします。間接照明の柔らかな光を組み合わせれば、壁の陰影が美しく浮かび上がり、心からくつろげる空間が完成します。
シンプルでナチュラルな北欧スタイルも、寝室で人気のコーディネートです。このスタイルでは、白やオフホワイトを基調とした明るい空間作りが基本になります。
壁全体を明るい色でまとめ、アクセントとして淡いブルーグレーやグリーンの壁紙を一面に加えることで、清潔感と爽やかさが生まれます。植物や幾何学模様など、自然をモチーフにした優しいデザインの柄物を取り入れるのも素敵です。木製の家具や明るい色のファブリックとの相性も抜群で、心地よく穏やかな時間が流れる寝室になります。
これらのコーディネートを成功させるには、壁紙だけでなく、照明や家具との全体のバランスを考えることが重要です。
コーディネート術(2)DIYと業者依頼・それぞれの仕上がりと満足度
壁紙の張り替えを自分で行うDIYと、専門の業者に依頼する場合では、費用だけでなく仕上がりの品質にも違いが出ます。どちらを選ぶか判断するために、それぞれのメリットとデメリットを考えてみましょう。
DIYの最大の魅力は、費用を抑えられることです。手先の器用な方であれば、材料費と道具代だけで、プロと見間違うほどの美しい仕上がりを実現することも可能です。
しかし、誰もが成功するわけではありません。特に機能性壁紙のような硬い素材を扱う場合、つなぎ目の処理がうまくいかず隙間ができてしまったり、空気が抜けずにデコボコになってしまったりする可能性も考えられます。
また、賃貸住宅でのはがせる壁紙のDIYでは、壁との相性を確認せずに作業を進め、剥がす際に下地を傷つけてしまい、思わぬ修繕費がかかるというケースもあり得ます。一方、業者に依頼すると費用は高くなりますが、その分、仕上がりの美しさと安心感は格別です。
プロの職人は、壁紙のつなぎ目がどこにあるか分からないほど精密に施工してくれます。下地の状態を正確に判断し、必要であれば補修も行ってくれるため、壁紙が長持ちしやすいです。万が一、施工後に不具合が起きても、保証期間内であれば無償で対応してくれる業者がほとんどです。
| 比較項目 | DIY | 業者依頼 |
| 費用 | ◎ 安い(材料費・道具代のみ) | △ 高い(施工費などが加わる) |
| 仕上がり品質 | △ 技術次第(失敗のリスクあり) | ◎ プロ仕様で美しい |
| 手間・難易度 | × かかる(すべて自分で行う) | ◎ かからない(すべて任せられる) |
| 安心感・保証 | × 自己責任(修繕リスクも) | ◎ 高い(保証が付くことが多い) |
費用だけで判断するのではなく、仕上がりの美しさや手間、長期的な満足度を総合的に考えて、自分に合った方法を選ぶことが重要です。
コーディネート術(3)壁紙がもたらす睡眠と暮らしへの効果
壁紙を変えることで、実際に睡眠の質や生活の快適さが向上したという声は少なくありません。壁紙が暮らしにどのような良い影響を与える可能性があるのか、期待できる効果を見ていきましょう。
色彩心理学に基づいた壁紙選びの効果として、落ち着いたブルーグレーの壁紙に変えた部屋では、以前よりリラックスして長く眠れるようになったという話も聞かれるほどです。「朝の目覚めがすっきりするようになった」と感じる方もいるようです。
機能性壁紙の効果を実感する声も豊富にあります。例えば、抗アレルゲン機能付きの壁紙を導入したご家庭からは、「寝ている間の鼻づまりが和らいだように感じる」という感想が寄せられることも。
また、消臭機能付きの壁紙は、ペットと暮らすご家庭の強い味方になるでしょう。室内の気になるニオイが改善され、急な来客時でも安心できるようになったという声も少なくありません。
さらに、吸放湿機能は湿気に悩む寝室環境を一変させる力を持っています。冬場の結露がほとんどなくなり、カビの心配から解放されたという喜びの声もあるほどです。
このように、壁紙一枚が私たちの暮らしの質を大きく左右する可能性を秘めています。自分の悩みや理想と向き合い、最適な一枚を選ぶことが、毎日をより快適に過ごすための重要なポイントになるのです。
寝室の壁紙の張り替え方法と費用相場
寝室の壁紙を実際に張り替えるための具体的な方法と費用について解説します。ご自身の状況に合わせて、DIY、業者依頼、賃貸住宅での方法から最適な選択肢を見つけてください。
- DIYで挑戦する場合の手順と必要な道具
- プロに任せる場合の費用相場と業者選び
- 賃貸でも安心なはがせる壁紙の活用法
- 原状回復を考えた賃貸での壁紙変更の注意点
方法(1)DIYで張り替える方法と必要な道具
DIYで寝室の壁紙を張り替えることは、費用を抑えながら自分の手で空間を作る楽しみがあります。成功させるためには、事前の準備と手順の理解が何よりも大切です。
まず、作業を始める前に必要な道具を揃えましょう。多くの道具はホームセンターやインターネット通販で、初心者向けのセットとして手軽に購入できます。
| 道具の種類 | 主な用途 |
| カッターナイフ、地ベラ | 壁紙の余分な部分をカットする |
| 撫でバケ、スムーサー | 壁紙と壁を密着させ、空気を抜く |
| ジョイントローラー | 壁紙のつなぎ目を圧着する |
| スポンジ、バケツ | はみ出たのりを拭き取る |
| メジャー、下げ振り | 寸法を測り、垂直に貼るための目印をつける |
次に、古い壁紙を丁寧に剥がし、壁の穴やひび割れがあればパテで埋めて平らにします。この下地処理が、仕上がりの美しさを大きく左右します。
そして、必要な壁紙の量を計算しますが、柄物の場合は柄を合わせるために余分に必要になるため、計算した量よりも10パーセントほど多めに用意するのが安心です。実際に貼る際は、壁紙にのりを均一に塗り、少し時間を置いてからのりを馴染ませてから壁に貼ります。
空気が入らないように中心から外側へ向かって撫でバケで優しく空気を抜き、最後につなぎ目をローラーでしっかり圧着します。8畳程度の寝室であれば、初心者の場合は週末の2日間を作業時間として見ておくと良いでしょう。
費用は、道具代と材料費を合わせて3万円前後が目安です。いきなり広い寝室で挑戦するのが不安な方は、まずトイレなどの狭い空間で練習してみることをおすすめします。
方法(2)業者に依頼する場合の費用相場
仕上がりの美しさや手間を考え、プロの業者に壁紙の張り替えを依頼するのも賢明な選択です。ここでは、複数の業者から見積もりを取って比較検討することが、信頼できる業者を見つけるためのポイントです。
一般的な8畳の寝室の場合、選ぶ壁紙のグレードによって費用は変動します。シンプルなデザインが多いスタンダード品(量産品)を選ぶと4万円から6万円程度、デザインや機能が豊富なハイグレード品を選ぶと5万円から8万円程度が相場です。
吸放湿や消臭といった機能性壁紙は、このハイグレード品に含まれることが多くなります。この費用には、通常、以下の内容が含まれています。
- 材料費:新しい壁紙の代金
- 施工費:職人による張り替え作業の技術料
- 諸経費:古い壁紙の処分費、養生費、交通費など
ただし、これは壁の下地の状態が良い場合の目安です。ひび割れや大きな凹凸がある場合は、別途下地補修の費用が必要になることも覚えておきましょう。
信頼できる業者を選ぶために最も重要なことは、複数の業者から見積もりを取って比較検討することです。これは相見積もりと呼ばれ、最低でも3社程度に依頼するのが一般的です。
見積もりを比較する際は、単に総額の安さだけで判断してはいけません。材料費や施工費といった費目の内訳が明確に記載されているか、施工後の保証はあるか、万が一の事故に備えた保険に加入しているかといった点も必ず確認しましょう。
また、過去の施工事例を見せてもらい、仕上がりの品質を確認することも大切です。最近では、インターネットの一括見積もりサイトを利用すると、一度の入力で複数の業者から見積もりを取り寄せることができ便利です。
費用とサービス内容をじっくり比較し、納得のいく業者選びをしてください。
方法(3)はがせる壁紙シールを使うメリット
賃貸住宅にお住まいの方や、もっと手軽に部屋の雰囲気を変えたいという方には、原状回復が可能なはがせる壁紙が最適です。はがせる壁紙には主に2つのタイプがあり、それぞれにメリットとデメリットがあります。
| タイプの種類 | メリット | デメリット |
| シールタイプ | 裏紙を剥がして貼るだけで手軽、のりで汚れない | 貼り直しが難しい、広範囲の施工に不向き |
| のりタイプ | 貼り直しや位置調整が容易、プロ並みの仕上がり | のりを塗る手間がかかる、作業場所が必要 |
シールタイプは、その名の通りステッカーのように裏紙を剥がして直接壁に貼るだけなので、DIY初心者の方でも挑戦しやすいのが最大の魅力です。のりを用意する必要がないため、手や床を汚す心配もありません。
ただし、一度貼ると粘着力が強いため、貼り直しが難しいという側面もあります。一方、のりタイプは、専用の剥がせるのりを壁紙に塗ってから貼るタイプです。
のりが乾くまでは位置の微調整ができるため、つなぎ目をきれいに合わせやすく、本格的で美しい仕上がりが期待できます。のりを塗る手間はかかりますが、広い面積をきれいに仕上げたい方にはこちらがおすすめです。
どちらのタイプを選ぶ場合でも、失敗しないために必ずパッチテストを行ってください。壁の目立たない場所に小さく切った壁紙を貼り、数週間後にきれいに剥がせるか、壁を傷つけないかを確認することが重要です。特に、汚れ防止加工が施された壁の上にはうまく接着しないことがあるため、事前の確認は不可欠です。
方法(4)賃貸でも可能な壁紙変更方法
賃貸物件で壁紙を変更する際に、最も注意しなければならないのが原状回復の義務です。これは、退去する際に部屋を入居した時と同じ状態に戻すというルールであり、この理解がトラブルを避ける上で最も重要になります。
画鋲の穴など、普通に生活する上で生じる小さな傷は貸主の負担となることが多いですが、借主が故意に行った変更や、手入れを怠ったことによる損傷は、借主の負担で修繕する必要があります。壁紙の変更は、この故意による変更とみなされる可能性が高いです。
そのため、トラブルを避けるために最も確実な方法は、壁紙を変更する前に必ず大家さんや管理会社に相談し、書面で許可を得ることです。たとえ、はがせる壁紙を使用する場合であっても、事前に相談しておくことで、万が一のトラブルを未然に防ぐことができます。
無断で壁紙を変更し、退去時に下地を傷つけてしまった場合、高額な修繕費用を請求されるケースも少なくありません。契約書や管理規約にも壁紙の変更に関する記載がないか、改めて確認しましょう。
許可を得て作業する場合でも、元の壁紙を傷つけないように、マスキングテープなどで養生してから貼るなどの工夫をするとより安心です。もし、大家さんとの交渉やDIY作業に不安がある場合は、賃貸物件の原状回復に対応したリフォーム業者に相談するのも一つの方法です。専門家のアドバイスを受けながら進めることで、安心して寝室の模様替えを楽しむことができます。
失敗しない寝室の壁紙選びのコツ
これまでの内容の総まとめとして、寝室の壁紙選びで後悔しないために押さえておきたい4つのコツを紹介します。これらのポイントを意識することで、デザイン性と快適さを両立させた、あなたにとって最高の寝室を実現できるはずです。
- 部屋の広さに合わせた柄と色の選び方
- 寝室の照明との相性を考えた色選び
- 大きなサンプルで必ず事前確認を行うこと
- 長期的な視点で実用性を重視すること
ポイント(1)部屋の広さに合わせた柄と色の選び方
寝室を心地よい空間にするためには、部屋の広さに合わせて壁紙の色や柄を選ぶことが基本的なテクニックです。色の持つ視覚的な効果を上手に利用することで、実際の広さ以上に部屋を広く見せたり、落ち着いた雰囲気を演出したりできます。
例えば、6畳以下のコンパクトな寝室の場合、壁紙は白やアイボリー、明るいベージュといった膨張色をベースに選ぶのがおすすめです。これらの明るい色は光を反射し、空間全体を広く明るく見せる効果があります。
アクセントクロスを取り入れるなら、部屋の一番奥の壁に寒色系の淡いブルーやグリーンを使うと、奥行きが感じられるようになります。柄物を選ぶ際は、大きな柄は圧迫感を与える可能性があるため、無地に近いシンプルなデザインや、小さな柄が連続するデザインが良いでしょう。
逆に、8畳以上の広さに余裕がある寝室では、より自由な色選びが楽しめます。グレージュやネイビーといった少し濃いめの色を壁の一面、あるいは全面に使うことで、重厚感のある落ち着いた書斎のような雰囲気を演出することも可能です。
また、天井に縦方向のストライプ柄を使えば視線が上に誘導されて天井が高く見えたり、木目調の壁紙で温かみを加えたりと、様々な工夫ができます。壁紙を選ぶ前に、まず自分の寝室の広さを客観的に把握し、どのような空間にしたいかをイメージすることが、圧迫感のない快適な空間作りの第一歩です。
ポイント(2)照明との相性を考慮した色選び
壁紙の色は、照明の種類や光の当たり方によって見え方が大きく変わるため、寝室の照明環境との相性を考えることは非常に重要です。特に、一日のうちで最も長く過ごす夜の照明の下でどのように見えるかを意識して選ぶことが、失敗を防ぐための大切なポイントです。
日本の家庭の寝室では、リラックス効果が高いとされるオレンジがかった温かみのある電球色の照明が一般的に使われています。この電球色の下では、多くの色が昼間の太陽光の下で見たときとは異なる印象になります。
例えば、爽やかな水色の壁紙が少し緑がかって見えたり、クールな印象のグレーが温かみのあるベージュのように見えたりするでしょう。逆に、ベージュやブラウン系の壁紙は、より深みと温かみが増して、落ち着いた雰囲気が強調されます。
また、窓から差し込む自然光の影響も無視できません。一日を通して涼しい光が入る北向きの部屋では、同じベージュでも少し寂しい印象になる可能性があります。
逆に、明るく暖かい光が差し込む南向きの部屋では、淡いブルーでも十分に明るく爽やかに感じられます。このように、壁紙の色を選ぶ際は、サンプルを日中の自然光の下で見るだけでなく、必ず夜に寝室の照明をつけて確認するようにしましょう。自分が一番長く過ごす時間帯の光の下で、最も心地よいと感じる色を選ぶことが、一日を通して快適な寝室環境を実現するコツです。
ポイント(3)サンプルで事前確認すべき項目
壁紙選びで最もよくある失敗が、小さなサンプルだけで色を決めてしまい、実際に壁一面に貼ってみたらイメージと全く違ったというケースです。この失敗を防ぐために最も効果的なのが、A4サイズ以上の大きめなサンプルを取り寄せて、入念に事前確認を行うことです。
人間の目には面積効果という錯覚があり、同じ色でも面積が小さいと色が濃く見え、大きくなるにつれて薄く見える傾向があります。そのため、手のひらサイズの小さな見本帳だけで判断するのは非常に危険です。
必ず、A4サイズ以上のサンプルを取り寄せ、実際に貼りたい壁に貼り付けて以下のポイントを確認しましょう。
| チェック項目 | 確認するポイント |
| 時間帯による色の変化 | 朝の自然光、昼間の明るい光、夜の照明の下で、それぞれ壁紙がどう見えるかを確認。 |
| インテリアとの相性 | ベッドやカーテン、床材のそばに並べて、全体の色の調和がとれているかを確認。 |
| 質感と陰影の確認 | 光の当たる角度を変えながら、表面の凹凸や素材感がどのような陰影を生み出すかを確認。 |
「少し色が濃いかな?」と感じるくらいが、実際に広い面に貼るとちょうど良い場合が多いということも覚えておくと良いでしょう。
ポイント(4)長期使用を見据えた実用性の重視
壁紙は一度張り替えると、一般的に5年から10年と長く付き合うことになります。だからこそ、その時々の流行だけで選ぶのではなく、長期的な視点で「飽きずに長く愛せるか」という実用性を重視することが大切です。
流行のデザインや色は、数年後には古く感じられてしまう可能性があります。長く満足して使い続けるためには、アイボリーやベージュ、ライトグレーといった、どんなインテリアにも合わせやすいベーシックな色を壁の基本の色として選ぶのがおすすめです。
そうすれば、クッションカバーやベッドリネン、アートといった小物でトレンドの色や柄を取り入れることができ、コストを抑えながら手軽に模様替えを楽しむことができます。また、自分や家族のライフステージの変化を想像することも重要です。
今は夫婦二人暮らしでも、将来子どもが生まれたり、ペットを飼い始めたり、あるいは親との同居が始まるかもしれません。家族構成が変われば、部屋に求められる機能も変わってきます。
例えば、子どもが小さいうちは汚れに強い壁紙が、アレルギーが気になる家族がいれば抗アレルゲン機能が、将来的に介護が必要になれば消臭機能が役立つかもしれません。「今の自分」の好みだけでなく、「5年後、10年後の暮らし」を少しだけ思い描きながら壁紙を選ぶという視点を持つことで、後悔の少ない、長く満足できる一枚に出会えるはずです。
メンテナンスのしやすさも実用性の一つとして考え、総合的に判断しましょう。
まとめ
理想の寝室作りにおいて、壁紙選びは非常に重要なポイントです。まず、安眠効果が期待できる青や緑、ベージュといった色の基本を押さえましょう。
その上でアクセントクロスを取り入れれば、憧れのホテルライクのような高級感のある空間から、かっこいいモダンスタイル、かわいい北欧風まで、おしゃれな空間も実現可能です。調湿や消臭などの機能性も考慮しつつ、費用や手間を比較してDIYか業者依頼か、自分に合った最適な方法を選んでください。
失敗を防ぐ最大のコツは、サンプルで色や質感を必ず確認することです。この記事を参考に、デザインと快適さを両立させた、心から安らげるプライベートな寝室を実現しましょう。
«前へ「アクセントクロス成功例|リビングからトイレまでの部屋別の方法を紹介」 | 「おしゃれな腰壁でワンランク上の部屋に|賃貸でもできるDIY方法」次へ»

















