原状回復工事の見積書を確認する6つのポイント
オフィスの移転等で原状回復工事が必要となった場合、工事の見積書の費用をめぐるトラブルがしばしば見受けられます。
原状回復費の見積もりは本来よりも割高な費用を請求されるケースも少なくなく、貸主側も見積書を見慣れている人ばかりではないので、「これくらいかかるものなのだろう」と受け入れてしまうことが多いようです。
ここでは、原状回復工事の見積もりがあがってきた場合、確認すべき6つのポイントをご紹介します。見積書の内容を確認すれば、工事費を削減できる可能性もありますので、最後までお読みください。
目次
原状回復工事の見積書を確認する6つのポイント
1.原状回復工事の内容は細かく記載されているか
原状回復工事の内容が詳細にかかれているか、何をおこなうのかわからないような項目がないか、チェックしましょう。
たとえば工事内容が「●●工事一式」といった曖昧な表現では、どの場所にどのような工事を施すのか不透明ですね。具体的にカーペット剥がし処分、クロス貼り替え、ハウスクリーニングなど、作業内容と費用が明確に記載されていることが重要です。
2.工事面積と見積書の面積が一致しているか
原状回復工事の見積りは実際の寸法ではなく、図面上の寸法に基づいた数量で計算されている場合があり、図面上の寸法と実際の寸法では計算方法が異なるため、「見積書の面積 > 実際の寸法」となります。
つまり、原状回復工事の見積書に記載されている面積は、実際に作業をおこなった工事面積よりも大きくなってケースがあるのです。
工事面積と見積書の面積が一致していない場合、工事費用も多めに見積もられている可能性があるので、費用を減額できる可能性が生じます。
3.材料費や人件費などが相場とかけはなれていないか
見積書の材料費や人件費などは必ずチェックするようにしましょう。とくに注目すべきは単価設定です。
単価は1平米あたりどれくらいの費用がかかっているのかの判断材料となるため、工事の合計金額だけでなく、個別の費用も観ておく必要があります。
費用の相場は専門業者でなければわかりづらいところがありますが、たとえば材料費はインターネット検索などでクロスやカーペットなどの費用はわかりますし、おおよその工事費用は当店の価格表などをご参考いただくと良いでしょう。
4.無駄な作業が見積もりに含まれていないか
1回で済むはずの工事が2回以上に分けられていたり、明らかに作業人員が多すぎたりする場合は、減額できる可能性があります。
5.共用部分の原状回復が含まれていないか
マンションやビル等のオフィスの場合、トイレやエレベーターホールなど共用部分の工事が見積書に含まれていたら、借主が負担すべき原状回復義務の範囲外となります。
6.その他、原状回復に含まれない作業がないか
さらに細かく見積書をチェックするのであれば、国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」をご一読されることをおすすめします。
ガイドラインを読むと、「通常の使用による損耗等の修繕費用は、賃料に含まれる」とされています。通常の使用に損耗とは、たとえば家具の設置による床のへこみや、太陽光などによるクロスの変色などが挙げられます。
原状回復工事の見積書にこれら原状回復義務の範囲を超える工事の費用が含まれていたら、減額を要求することが可能です。
まとめ
原状回復の見積書をチェックする際のポイントは、合計金額だけで判断するのではなく、作業の内訳や個別の材料費など細部にまで目を通すことです。
トラブルを避け、無駄な費用をかけないためにも、オフィス移転などで原状回復工事が必要になった際は、今回ご紹介した6つのポイントをふまえて見積書をチェックしましょう。
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