PB下地とは?石膏ボードの基本から施工まで徹底解説

2026年01月01日(木)

PB下地とは何か、現場で恥をかかないための基礎知識を身につけませんか?

建築・内装業界で働く方やDIY愛好家なら、プラスターボードと石膏ボードの違いや適切な施工方法を理解することは必須のスキルです。

「図面にPB12.5と書いてあるけど、これって何のこと?」「重いテレビを壁に取り付けたいけど、下地の選び方がわからない」そんな疑問を抱えている方も多いでしょう。

この記事では、PB下地の基本定義から種類別の用途、施工時の注意点、さらには水回りでの使用制限まで、現場で本当に役立つ実践的な知識を網羅的に解説します。

専門用語を正確に理解し、信頼される建築のプロフェッショナルを目指しましょう。

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PB下地とは?

PB下地は建築現場で頻繁に使用される基本的な建材ですが、その呼び方や構造について正しく理解している人は意外と少ないものです。この章では、用語の定義から構造的な特徴、図面での表記ルールまで、基礎知識を分かりやすく解説します。

建築現場や図面で頻出する「PB下地」という言葉に戸惑い、正確な意味をつかめずにいませんか。

この章では、PB下地の基本的な定義と構造について紹介します。

石膏ボードとプラスターボードは同じもの

建築現場において最も基本的でありながら、初心者が混乱しやすいのが建材の呼び方です。

結論を申し上げますと、PB下地すなわちプラスターボードと石膏ボードは、全く同じ建材を指しています。

なぜ複数の呼び名が存在するのか疑問に思われるかもしれませんが、これは由来する言語の違いに過ぎません。

日本では一般的に「石膏ボード」と呼ばれますが、英語圏の「Plaster Board」をカタカナ読みしたものがプラスターボードであり、その頭文字をとって「PB」と略されます。

さらに、石膏を意味する英語「Gypsum」を用いた「Gypsum Board」の略称である「GB」も、図面や仕様書では頻繁に使用されるのです。

現場では職人や監督によって呼び方が異なるケースが多々あります。

ある人は「PB」と呼び、別の人は「ボード」や「石膏」と呼ぶ場面に遭遇するでしょう。

しかし、これらはすべて同一の板状建材を指していると理解して問題ありません。

この事実を知らないまま現場に出ると、異なる材料の話をしていると勘違いし、発注ミスや施工の認識違いを引き起こすリスクがあります。

用語の関係性を整理しましたので、以下の表を頭に入れておきましょう。

呼び方 由来・備考
PB Plaster Boardの略
GB Gypsum Boardの略
プラスターボード 英語読み
石膏ボード 日本語名称

このように呼び方は多岐にわたりますが、指し示している実体は一つです。

これらを同義語として脳内で即座に変換できるようになれば、現場での打ち合わせもスムーズに進行します。

まずは「PB=GB=石膏ボード」という等式を確実に記憶してください。

石膏を芯材とした板状建材の構造

PB下地がなぜこれほど建築現場で重宝されるのか、その理由は独自の構造に隠されています。

PB下地は、焼石膏を主成分とした芯材を、特殊な原紙でサンドイッチのように挟み込んで成形した板状の建材です。

芯材である石膏は、圧縮される力には強いものの、引っ張られる力には脆いという性質を持っています。

一方で、表面を覆う原紙は引っ張られる力に対して高い強度を発揮します。

この両者を組み合わせることで、石膏の弱点を紙が補い、建築材料として必要な強度と寸法安定性を確保しているのです。

実際に現場で初めてPB下地を扱った際、その加工のしやすさに驚かされました。

カッターナイフで表面の紙に切れ込みを入れ、反対側に力を加えるだけで、パキッと綺麗に折ることができるのです。

この加工性の良さは、複雑な形状の壁面や天井を施工する際の作業効率を劇的に向上させます。

また、この構造は防火面でも重要な役割を果たしています。

芯材の石膏には結晶水と呼ばれる水分が含まれており、火災の熱を受けると水蒸気となって放出され、燃え広がるのを遅らせる効果があるのです。

単なる板ではなく、化学的な特性を巧みに利用した機能的な建材であるといえるでしょう。

この基本構造を理解しておくと、なぜ水に弱いのか、なぜ点での衝撃に弱いのかといった、後述するデメリットの理由も深く納得できるはずです。

図面や仕様書での表記方法

設計図や仕様書を正しく読み解く能力は、建築のプロフェッショナルとして必須のスキルです。

図面上では、スペースの制約から略号が用いられることが一般的で、PB下地も例外ではありません。

多くの場合、「PB」または「GB」という記号に続いて、数字やアルファベットが記載されています。

例えば「PB12.5」や「GB-R9.5」といった表記を目にすることがあるでしょう。

これらは単なる記号ではなく、施工すべきボードの種類と厚みを厳密に指定する重要な指示情報です。

具体的に見ていきましょう。

「PB12.5」という表記は、厚さ12.5ミリメートルのプラスターボードを使用せよという意味です。

この「12.5」という数字は、壁の防火性能や遮音性能を担保するための根拠となる数値であり、勝手に変更することは許されません。

また、「GB-R」という表記も頻出しますが、これはJIS規格に基づく正式な略号です。

「G」はGypsum(石膏)、「B」はBoard(ボード)、「R」はRegular(標準品)を表しており、つまり一般的な石膏ボードを指します。

同様に、厚みが9.5ミリメートルの場合は「GB-R9.5」や「PB9.5」と記載されます。

これらは主に天井の仕上げ下地として用いられることが多い規格です。

図面を読む際は、単に「ボードを貼る」と認識するのではなく、指定された「厚み」と「種類」を正確に読み取ることが求められます。

以下のリストは、図面でよく見る代表的な表示例です。

これらを理解しておくことで、現場での確認作業がより確実なものになります。

  1. PB12.5 / GB-R12.5:厚さ12.5mmの一般石膏ボード(主に壁用)
  2. PB9.5 / GB-R9.5:厚さ9.5mmの一般石膏ボード(主に天井用)
  3. GB-F:強化石膏ボード(防火区画などで使用)
  4. GB-S:シージング石膏ボード(水回りなどで使用)
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PB下地の種類と選び方

PB下地には、一般的なものから特殊な機能を持ったものまで多くの種類が存在します。用途や場所に応じて適切なボードを選定することは、建物の安全性と耐久性を確保するために不可欠です。ここでは、各種類の特性と具体的な選び方について詳しく解説します。

いざ材料を発注しようとしたとき、種類の多さに戸惑った経験はないでしょうか。

適切な種類のPB下地を選ぶことは、建物の寿命を延ばし、法的な安全基準を満たすための絶対条件です。

この章では、現場で迷わずに最適なボードを選定できるよう、各種類の特性と具体的な採用基準を明確にします。

一般石膏ボード(GB-R)の用途

最もスタンダードで、どの現場でも必ず目にするのが「一般石膏ボード(GB-R)」です。

「Regular(標準)」の名が示す通り、特別な性能特化はありませんが、コストと性能のバランスが極めて高いため、建築内装の主役として君臨しています。

このボードの最大の魅力は、その汎用性の高さにあります。

住宅の居室、オフィスの間仕切り、店舗の天井など、屋内のあらゆる場所で使用可能です。

特に、防火性能に関しては、厚さ12.5mm以上であれば「不燃材料」、9.5mmであれば「準不燃材料」としての認定を受けており、内装制限のかかるエリアでも安心して使用できます。

私がリフォームの現場を担当するとき、まず検討するのはこのGB-Rです。

なぜなら、カッターでの加工が容易で、ビスの食いつきも素直であるため、施工スピードが格段に早くなるからです。

特殊なボードは硬かったり重かったりと施工に手間取ることがありますが、GB-Rはそのようなストレスがありません。

ホームセンターでも1枚500円程度から入手可能で、コストを抑えたい施主様への提案にも最適です。

ただし、あくまで「標準品」であるため、過度な湿気や衝撃が予想される場所への使用は避けるのが鉄則です。

適材適所の原則に従い、まずはこのGB-Rを基準として、必要に応じて後述する特殊ボードへとアップグレードしていく考え方を持つとよいでしょう。

強化石膏ボード(GB-F)の用途

万が一の火災時、人命を守る最後の砦となるのが「強化石膏ボード(GB-F)」です。

記号の「F」は「Fire(火)」を意味し、その名の通り耐火性能に特化した設計がなされています。

見た目は通常の石膏ボードと大きく変わりませんが、その芯材にはガラス繊維などの無機質繊維が混入されており、火災時の熱による収縮やひび割れに対する抵抗力が飛躍的に向上しています。

これにより、炎が壁を貫通するのを防ぎ、避難のための時間を稼ぐことができるのです。

具体的な採用シーンとしては、ビルやマンションの「防火区画」となる壁面が挙げられます。

建築基準法や消防法により、耐火構造が義務付けられている場所には、このGB-Fの使用が必須となるケースが多いです。

また、キッチンのコンロ周りなど、火気を使用する場所の下地としても推奨されます。

通常のボードよりも重量があり、切断には少し力が必要ですが、その分だけ頼りになる硬さと密度を持っています。

もしあなたが担当する現場が、防火地域内の建物や、不特定多数の人が利用する施設であれば、設計図書に「GB-F」の指定がないか必ず確認してください。

コストダウンのために勝手にGB-Rに変更することは、法律違反になるだけでなく、人命に関わる重大なリスクを負うことになります。

構造用石膏ボード(GB-St)の用途

壁は単に空間を仕切るだけでなく、地震や風の力から建物を支える役割も果たします。

その構造的な強さを高めるために開発されたのが「構造用石膏ボード(GB-St)」です。

「Structural(構造)」を意味するこのボードは、耐火性能(GB-F相当)を持ちながら、特に「釘の保持力」と「せん断変形への抵抗力」が強化されています。

地震大国である日本において、木造住宅の耐震性を向上させる切り札の一つです。

このボードには、強度のレベルによって2つの種類が存在します。

釘側面抵抗(釘が横方向に引っ張られたときの強さ)をGB-Rの約2倍に高めた「B種(GB-St-B)」と、約3倍にまで高めた「A種(GB-St-A)」です。

主にツーバイフォー工法や木造軸組工法の「耐力壁」として使用され、筋交い(すじかい)と同等、あるいはそれ以上の壁倍率を確保するために用いられます。

一般的な内装工事で頻繁に使うものではありませんが、新築の躯体工事や耐震リフォームに関わる際には避けて通れない建材です。

施工時の注意点として、指定された種類の釘やビスを、規定の間隔(ピッチ)で正確に打つことが求められます。

ボード自体の性能が高くても、固定方法が不適切であれば、期待する耐震性能は発揮されないからです。

シージング石膏ボード(GB-S)の用途

石膏ボードの最大の弱点である「水」を克服するために生まれたのが、「シージング石膏ボード(GB-S)」です。

通常の石膏ボードは水分を含むと強度が著しく低下し、最悪の場合は崩れてしまいますが、このGB-Sは芯材と原紙の両方に防水処理が施されています。

「Sheathing(被覆)」の頭文字を持つこのボードは、湿気による劣化を防ぎ、カビの発生リスクも低減させます。

具体的には、洗面所、脱衣所、トイレ、そしてキッチンのシンク周りなど、日常的に湿気がこもりやすい場所の下地として最適です。

また、外壁材の下地(下見板)としても使用されることがあり、外部からの湿気の侵入をブロックする役割も果たします。

私が水回りのリフォームを提案する際は、将来的なメンテナンスコストを考慮して、必ずこの耐水タイプの使用をお勧めしています。

通常のボードより若干コストは上がりますが、数年後に壁紙が浮いてきたり、内部で腐食が進んだりするリスクを考えれば、決して高い投資ではありません。

ただし、あくまで「耐水」であり「完全防水」ではないため、浴室の内部など直接水が掛かり続ける場所への使用は推奨されません。

その場合は、より耐水性の高いケイ酸カルシウム板(ケイカル板)などを検討する必要があります。

厚みとサイズの選択基準

ここまで種類の違いを見てきましたが、現場で最も頻繁に判断を迫られるのは「厚み」の選択です。

PB下地にはいくつかの厚み規格がありますが、迷ったときは以下の原則に従ってください。

まず、壁の下地には「12.5mm」を使用するのが基本中の基本です。

これは不燃材料としての認定基準であり、ある程度の衝撃に耐えうる強度を確保するためでもあります。

一方、天井の下地には「9.5mm」が選ばれることが一般的です。

天井は上向きの作業となるため、少しでも軽量であることが作業者の負担軽減と落下リスクの低減につながるからです。

サイズに関しては、「910mm × 1,820mm」という規格が圧倒的なシェアを占めています。

これは日本の尺貫法における「3尺 × 6尺」に由来し、現場では「サブロクバン」という愛称で親しまれています。

日本の住宅の柱間隔は910mmを基準(モジュール)として設計されていることが多いため、このサイズであれば切断のロスを最小限に抑えて施工できるのです。

この他にも、メーターモジュール(1,000mm単位)に対応したサイズや、天井の高い部屋用に長さを伸ばした製品もありますが、まずは「サブロクの12.5mm(壁用)」と「サブロクの9.5mm(天井用)」という組み合わせを標準として覚えておきましょう。

この基準を持っておくことで、材料発注時のミスを大幅に減らすことができます。

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PB下地のメリット

PB下地が日本の建築現場で圧倒的なシェアを誇るのには、明確な理由があります。安価であることはもちろん、施工性や機能面でも優れた特徴を多数備えています。ここでは、PB下地を採用することで得られる具体的なメリットを紹介します。

なぜ、これほどまでにPB下地は日本の建築現場で愛用されているのでしょうか。

その理由は、単に「安いから」だけではありません。

コスト、施工性、安全性、そして居住性能といった、建築に求められるあらゆる要素を高次元で満たしているからです。

この章では、PB下地のメリットについて紹介します。

メリット(1)安価で建築コストを抑制

PB下地が選ばれる最大の理由は、やはりその圧倒的なコストパフォーマンスにあります。

建築プロジェクトにおいて予算管理は常に最重要課題ですが、PB下地はこの課題をクリアするために必要です。

原材料である石膏は資源として豊富に存在し、製造プロセスも効率化されているため、長年にわたり安定した低価格で供給されています。

例えば、同じ面積を仕上げる場合、合板やその他の下地材を使用するよりも、材料費を半分以下に抑えることも珍しくありません。

また、コストメリットは材料単価だけにとどまりません。

全国どこの建材店やホームセンターでも在庫があり、必要な時にすぐに入手できる「調達の容易さ」も、工期遅れによる損失を防ぐという意味で経済的です。

配送コストや保管コストも含めたトータルコストで見た場合、PB下地に勝る内装下地材は現状存在しないと言っても過言ではないでしょう。

施主に対して見積もりを提示する際も、PB下地をベースにすることで基本コストを下げ、浮いた予算をキッチンや照明などの設備グレードアップに回すといった提案が可能になります。

このように、PB下地の採用は、建築全体の質を落とさずにコストバランスを整えるために必要です。

メリット(2)施工性に優れ作業効率向上

現場の職人にとって、PB下地の施工性の良さは何物にも代えがたいメリットです。

前述の通り、専用の電動工具がなくてもカッターナイフ一本で切断できるため、騒音や粉塵を気にするリフォーム現場でもスムーズに作業が進められます。

切断面の処理も簡単で、ヤスリがけ(面取り)を行えばすぐに突きつけ施工が可能です。

この「加工の手軽さ」は、工期短縮に直結し、結果として人件費の削減にも貢献します。

さらに特筆すべきは、仕上げ材を選ばない「下地としての懐の深さ」です。

表面の原紙は平滑で塗料や接着剤のノリが良く、ビニールクロス張りはもちろん、ペンキ塗装、珪藻土塗り、タイル張りなど、あらゆる仕上げに対応できます。

また、ビスやステープル(針)が素直に入り込むため、固定作業もスピーディーに行えます。

もし施工中にミスをして穴を開けてしまっても、パテ処理で簡単に補修ができる点も、現場のストレスを軽減する大きな要素です。

DIY初心者にとっても、失敗を恐れずに挑戦できる扱いやすい素材であることは間違いありません。

このように、PB下地は施工の全工程において作業者の負担を減らし、高い品質の仕上がりをサポートしてくれる優秀なパートナーなのです。

メリット(3)優れた耐火性・防火性能

住宅や施設において、火災への備えは法的な義務であると同時に、そこに住む人の命を守るための必須条件です。

PB下地は、無機質である石膏を主成分としているため、木材のように燃え上がることがありません。

万が一火災が発生した際も、石膏に含まれる結晶水が熱分解を起こして水蒸気を放出し、その気化熱によって温度上昇を食い止めます。

この作用により、炎が天井裏や隣の部屋へ燃え広がるのを遅らせる「延焼防止効果」を発揮します。

この高い防火性能により、PB下地は建築基準法における「不燃材料(厚さ12.5mm以上)」や「準不燃材料(厚さ9.5mm)」として認定されているのです。

これは、内装制限がかかるキッチンや、高層マンション、地下街などの内装仕上げにおいて、そのまま使用できます。

特別な耐火被覆工事を行わなくても、通常のボード施工を行うだけで一定の防火性能を担保できる点は、設計上の大きなアドバンテージです。

実際に火災現場の調査でも、石膏ボードが張られていた壁の裏側だけは炭化せずに柱が残っていたという事例が多く報告されています。

PB下地を採用することは、見えない「防火壁」を家中に張り巡らせることであり、住まい手に安心感を提供する最良の手段といえるでしょう。

メリット(4)高い遮音性と断熱性

快適な居住空間を作るためには、外部の音を遮断し、室内の温度を一定に保つ性能が必要です。

PB下地は、その高い密度と厚みにより、優れた遮音性を発揮します。

特に、石膏という素材は音を通しにくい性質を持っており、話し声やテレビの音といった空気伝搬音を効果的に減衰させます。

マンションの隣戸との境界壁(界壁)では、この遮音性をさらに高めるために、PB下地を2枚重ねて張る(二重張り)工法が一般的です。

さらに、間に遮音シートやグラスウールを挟み込むことで、プライバシーの守られた静かな空間を実現できます。

また、断熱性効果もあり、石膏ボード自体が熱を伝えにくい素材であることに加え、壁内に空気層を作る工法と組み合わせることで、外気の影響を受けにくい室内環境を作り出します。

これにより、冷暖房の効率が良くなり、省エネ効果も期待できるのです。

もちろん、専用の断熱材には及びませんが、内装下地材としてこれだけの断熱・遮音性能を兼ね備えている建材は他になかなかありません。

「静かで、夏涼しく冬暖かい」そんな理想の住まいづくりにおいて、PB下地は縁の下の力持ちとして静かに、しかし確実に貢献しているのです。

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PB下地のデメリット

多くのメリットを持つPB下地ですが、一方で無視できない弱点もあります。これらのデメリットを事前に理解し、適切な対策を講じることが施工トラブルを防ぐ鍵となります。ここでは、水への弱さや衝撃に対する脆さなど、注意すべきポイントを解説します。

万能に見えるPB下地ですが、決して完璧な建材ではありません。

むしろ、その特性を理解せずに誤った使い方をすれば、取り返しのつかない施工不良や事故を招く危険性すらあります。

この章では、PB下地(プラスターボード)を使用する際に知っておくべきデメリットについて紹介します。

デメリット(1)水分・湿気に弱い

PB下地の最大にして致命的な弱点は、水分に対する抵抗力が極めて低いことです。

主成分である石膏は、微細な結晶の集合体で成り立っていますが、水分を含むとこの結晶同士の結合が緩み、ボロボロに崩れやすくなる性質を持っています。

表面の紙も水に濡れると強度が落ちるため、ボード全体が湿気を吸うことで、カステラのように脆くなってしまうのです。

一度水を吸って強度が低下した石膏ボードは、乾燥させても元の強度には戻りません。

この特性から、浴室の壁や天井など、直接水がかかる場所への使用は厳禁とされています。

また、結露が常習的に発生する北側の窓周りや、地下室の壁面などで使用する場合も細心の注意が必要です。

もし湿気対策を怠ったまま施工してしまうと、クロスが剥がれてくるだけでなく、内部でカビが大量発生し、住人の健康被害を引き起こす原因にもなりかねません。

私が過去に見た現場では、雨漏りに気づかずに放置された天井のPB下地が、自重に耐えきれずに落下したケースもありました。

水回りでの使用を検討する際は、前述した耐水ボード(GB-S)を選ぶか、あるいはさらに耐水性の高いケイカル板などへの変更を躊躇なく提案する勇気が必要です。

デメリット(2)点の衝撃に弱く欠けやすい

石膏ボードは、地震のような建物全体を揺らす「面」の力には強い抵抗力を示しますが、「点」で加わる局所的な衝撃には非常に脆いという一面があります。

これは、硬くて脆い石膏を紙で包んでいるだけの構造ゆえに、鋭利な一点に力が集中すると、そこから簡単に破壊が進んでしまうからです。

例えば、模様替えの最中に家具の角を壁にぶつけてしまったり、ドアノブが勢いよく当たったりすると、いとも簡単に穴が開いたり凹んだりします。

また、画鋲やピンを刺す際にも注意が必要です。

刺すときはスムーズに入りますが、抜くときに周りの石膏を巻き込んで崩してしまい、穴が大きく広がってしまうことがよくあります。

一度開いた穴や凹みは自然には修復されず、パテ埋めなどの補修作業が必要になります。

対策としては、腰の高さまで板張り(腰壁)にしてガードしたり、表面強度の高い壁紙を選んだりするといった工夫が有効です。

「壁は意外と繊細である」という認識を持ち、住まい手にもそのリスクを伝えておくことが、親切なアドバイザーとしての振る舞いでしょう。

デメリット(3)ネジや釘の保持力が低い

DIY初心者が最も陥りやすい罠が、この「ネジが効かない」という問題です。

PB下地に対して普通の木工用ビスや釘を打つと、ねじ込む力によって周囲の石膏が粉々に砕け、まるで砂に棒を刺したような状態になります。

その結果、ビスは空転し、引っ張れば簡単に抜けてしまうのです。

この事実を知らずに、重い時計や額縁、あるいは壁掛けテレビなどを直接ビス留めしてしまうと、ある日突然落下して大事故につながる恐れがあります。

カーテンレールやタオル掛けなど、日常的に荷重がかかるものを設置する場合、PB下地単体ではその重さを支えることはできません。

プロの施工では、あらかじめ壁の裏に木製の下地材を入れておくか、あるいは間柱(柱)の位置を正確に狙ってビスを打ち込みます。

もし下地がない場所にどうしても取り付けたい場合は、次章で解説する「ボードアンカー」などの専用部材が必須となります。

「石膏ボードには直接物を固定できない」という原則は、安全管理上、絶対に守らなければならない鉄則です。

デメリット(4)産業廃棄物として処分が必要

意外と見落とされがちなのが、廃材となったPB下地の処分方法です。

リフォームや解体工事で出た石膏ボードの廃材は、一般ゴミとして自治体の回収に出すことはできません。

法律により「管理型産業廃棄物」として厳格に区分されており、専門の許可を持った業者に処理を委託する必要があります。

これは、石膏ボードが水分を含んだ状態で埋め立て処分されると、有害な硫化水素ガスを発生させるリスクがあるためです。

そのため、処分には相応のコストがかかります。

地域や業者にもよりますが、通常の建築廃材よりも高額な処理費用を請求されることが一般的です。

DIYで発生した少量の端材であっても、庭に埋めたり燃えるゴミに混ぜたりすることは違法行為(不法投棄)となり、処罰の対象となります。

個人で処分する場合は、産業廃棄物処理業者に持ち込むか、ホームセンター等の回収サービス(実施していない店舗も多いので要確認)を利用しなければなりません。

採用する際は、施工後の「捨て方」まで含めて計画を立てておくことが、責任ある建築のプロとしての姿勢です。

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PB下地と他の下地材との比較

建築現場にはPB下地以外にも様々な下地材があり、それぞれに得意・不得意があります。予算や求める強度、場所に応じて最適な一枚を選ぶためには、比較検討が欠かせません。この章では、代表的な競合素材である合板やOSBボードとの違いを詳しく比較します。

ここまでPB下地の特徴を見てきましたが、建築現場には他にも優秀な下地材が存在します。

「結局、うちの現場にはどれを使えばいいの?」という疑問に答えるためには、PB下地と他の材料を横並びでの比較が必要です。

この章では、合板やOSBボードといったライバル材との違いを徹底比較し、あなたの現場に最適な一枚を選び抜くための判断基準を提供します。

比較(1)合板・OSBボードとの性能・コスト比較

下地材選びで悩ましいことは、以下の2つです。

  1. PB下地にするか
  2. 木質系の合板やOSBボードにするか

両者の決定的な違いは、以下の3点に集約されます。

  1. 「強度」
  2. 「コスト」
  3. 「防火性」

まずコスト面ですが、これはPB下地の圧勝です。

一般的なサブロクバン(910×1820mm)の12mm厚で比較すると、PB下地が1枚あたり約500円〜であるのに対し、普通合板(ベニヤ)は約1,500円〜、OSBボードは約1,200円〜が相場となります。

つまり、PB下地は木質ボードの3分の1程度の価格で調達できるのです。

広い面積を施工する場合、この単価の差は見積もり金額に数万円単位の影響を与えます。

一方で、強度に関しては木質ボードに軍配が上がります。

合板やOSBは木材の繊維が絡み合っているため、ビスや釘が強固に効き、重量物をどこにでも自由に取り付け可能です。

しかし、木質ボードは「燃える」という最大の弱点を持っています。

これに対しPB下地は、前述の通り不燃材料としての性能を持っています。

まとめると、「とにかく安く、火に強い壁を作りたいならPB下地」、「多少高くても、後から棚などを自由につけられる強い壁を作りたいなら合板」という図式です。

以下の比較表を参考に、優先順位を決めてみてください。

項目 PB下地(石膏ボード) 合板(ベニヤ) OSBボード
価格目安(1枚) 約500円〜 約1,500円〜 約1,200円〜
防火性能 ◎ 不燃・準不燃 × 可燃(特注品除く) × 可燃
ビス保持力 × 非常に弱い ◎ 非常に強い ◎ 強い
耐水性 × 弱い(耐水品あり) △ 普通(耐水品あり) △ 普通
施工性 ◎ カッターで切れる △ のこぎりが必要 △ のこぎりが必要

比較(2)用途別の最適な下地材選択基準

それぞれの特徴を理解した上で、具体的なシーンごとにどの下地材を選ぶべきか、プロの視点でジャッジします。

まず、一般的な居室(リビングや寝室)の壁・天井には、迷わずPB下地を選択します。

内装制限(防火規制)をクリアしやすく、クロス仕上げも綺麗に決まる上、コストも抑えられるため、これ以外の選択肢は基本的にありません。

しかし、例外があります。

例えば「壁掛けテレビを設置したい」「壁一面に本棚を作りたい」といった要望がある壁面には、部分的に合板(12mm厚以上)を使用するとよいでしょう。

PB下地ではアンカーを使っても強度が不安ですが、合板下地が入っていれば、将来的にどこにでもビスを打てる自由度が手に入ります。

これを「下地補強」と呼び、新築やリフォーム時の定番オプションとなっています。

次に水回りですが、脱衣所やトイレ程度なら耐水石膏ボード(GB-S)で十分です。

しかし、浴室のタイル下地や、水濡れが激しい厨房の壁などには、PB系ではなく「ケイ酸カルシウム板(ケイカル板)」を選んでください。

ケイカル板はセメント質と繊維質を主成分としており、水に濡れても腐らず、膨張もしない最強の耐水ボードです。

価格はPB下地の2倍以上しますが、水によるトラブルを完全に防ぐためには必要な投資です。

このように、「基本はPB、強度なら合板、水ならケイカル」という使い分けのルールを持っておけば、現場での判断に迷うことはありません。

比較(3)材料別の耐久性・メンテナンス性

建物を長く維持するためには、採用する材料の寿命やメンテナンス性も考慮しなければなりません。

一般的に、PB下地の耐用年数は、適切な環境下であれば20年から30年程度と言われています。

これはクロスの張り替えサイクル(約10年〜15年)よりも長いため、通常のリフォームでは下地をそのままでクロスのみを貼り替えることが可能です。

ただし、湿気や結露の影響を受け続けると、10年未満でカビが生えたり強度が低下したりすることもあります。

一方、合板やOSBボードなどの木質系材料は、湿気さえなければ30年以上の耐久性を持ちます。

しかし、シロアリの被害に遭うリスクがある点はPB下地にはないデメリットです。

また、万が一の水害(床上浸水など)に遭った場合の復旧については、大きな違いが出ます。

PB下地は一度水を吸うとグズグズに崩れてしまうため、水に浸かった部分は全て撤去・交換が必要です。

対して、合板やケイカル板は、洗浄して乾燥させれば再利用できる可能性が残されています。

メンテナンス性に関しては、PB下地は「部分的な張り替え」が容易である点が優秀です。

子供が壁に穴を開けてしまっても、その部分だけカッターで切り取り、新しいボードをはめ込んでパテ埋めすれば、跡形もなく修復できます。

トータルで見ると、PB下地は「環境の変化には弱いが、安価で交換しやすい消耗品的な建材」と捉え、定期的な点検と早めの補修を行う運用が最も理にかなっています。

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PB下地の施工方法と注意点

どれほど優れた材料を選んでも、施工方法が間違っていればその性能は発揮されません。特にPB下地は、ビスの打ち方や水回りの処理など、プロならではの細かいノウハウが存在します。最後に、DIYでも役立つ実践的な施工のコツと注意点を詳しく解説します。

PB下地の特性を頭に入れたなら、いよいよ実践です。

この章では、PB下地(プラスターボード)の施工方法と注意点について紹介します。

施工(1)重量物取り付け時の補強材追加方法

テレビや吊り戸棚といった重量物をPB下地の壁に取り付ける際、最も確実で安全な方法は「下地に効かせる」ことです。

前述の通り、石膏ボード自体にはネジを保持する力がありません。

しかし、ボードの裏側には必ず、壁を支えるための「間柱」と呼ばれる木の柱が、通常455mmまたは303mmの間隔で立っています。

この間柱を狙って長いビスを打ち込めば、数十キロの荷重にも耐えられる強固な固定が可能になります。

間柱を見つけるためには、市販の「下地センサー」や、細い針を刺して手応えを確認する「下地探し(どこ太くん等)」を使用します。

針を刺して「スカッ」と抜けたらそこは空洞、「ズブッ」と抵抗があればそこが間柱です。

もし、取り付けたい場所に運悪く間柱がない場合はどうすればよいでしょうか。

新築や大規模リフォームの段階であれば、あらかじめその部分の石膏ボードを貼る前に、柱と柱の間に厚さ12mm以上の合板を入れておく「下地補強」を行うのがベストです。

すでに壁が仕上がっている場合は、一度石膏ボードを部分的に切り取り、補強用の合板を入れ込んでからクロスで復旧するという荒技もありますが、これはかなり難易度が高い作業となります。

現実的なDIYの範囲では、ツーバイフォー材などを床と天井で突っ張らせるパーツ(ディアウォール等)を使い、壁の手前に新たな柱を作る方法が安全でおすすめです。

施工(2)専用アンカー・フックの選び方と使い方

「間柱の位置に関係なく、どうしてもこの位置に時計を掛けたい」

そんな時に活躍するのが、石膏ボード専用のアンカーボルトです。

これは、石膏ボードの裏側で傘のように開いたり、螺旋状の羽根が食い込んだりすることで、接地面積を広げて摩擦力を高めるアイテムです。

ただし、アンカーには多くの種類があり、耐えられる重さ(耐荷重)が異なります。

以下の表を参考に、吊るしたい物の重さに合わせて適切なタイプを選んでください。

種類 耐荷重(目安) 特徴
ピンタイプ 約3kg〜7kg 細い釘をクロスさせて固定する
ねじ込み式
(カベロック等)
約5kg〜10kg 太いドリルのような形状で、ドライバーでねじ込む
はさみ固定式
(トグラー等)
約10kg〜20kg 壁裏で金属の羽が開いてガッチリ固定する
安全のための重要ポイント:表示されている耐荷重を過信しないでください。地震や日常の振動で緩むリスクを考慮し、「吊るしたい物の実際の重さの3倍〜5倍」の耐荷重スペックを持つアンカーを選ぶのが鉄則です。

施工(3)水回りでの使用制限と湿気対策

水回りでPB下地を施工する場合、単に耐水ボード(GB-S)を選べば終わりではありません。

施工のプロセスにおいても、湿気を遮断するための二重三重の対策が必要です。

まず、ボードを張る前の段階で、床から1メートル程度の高さまで「透湿防水シート」を柱の上から張り巡らせておくことをお勧めします。

万が一、ボードを通過して壁内に湿気が侵入しても、このシートが柱や断熱材を腐食から守ってくれます。

また、ボードの「縁(コバ)」の処理も重要です。

石膏ボードの切断面は、石膏がむき出しになっており、そこから水を吸い上げるリスクが最も高い箇所です。

洗面台やキッチンのカウンターと接するボードの下端は、床から数ミリ浮かせて施工し、その隙間にシーリング材(コーキング)を充填して防水処理を行います。

これにより、床にこぼれた水がボードに染み込むのを防げます。

「見えない部分こそ丁寧に」を心がけることが、カビのない清潔な水回りを維持する秘訣です。

施工(4)DIY初心者が失敗しないための施工コツ

初めてPB下地を張る方へ、プロ直伝の施工のコツをお教えします。

まずは切断についてですが、カッターで切る際は、定規を当てて一度で切ろうとせず、2回〜3回なぞるようにして紙に切り込みを入れましょう。

そして、裏側から軽く叩くか、膝を使ってテコの原理で「パキッ」と折ります。

この「折る感覚」を掴めば、驚くほどスピーディーに作業できます。

折った後の切断面はガタガタしているので、必ず「ボードカンナ」や紙やすりで平らに整えてください。

ここをサボると、ボード同士を突き合わせた時に隙間ができやすくなります。

次にビス打ちです。

インパクトドライバーを使う場合、勢い余ってビスを深く打ち込みすぎてしまい、表面の紙を突き破ってしまう失敗(パンク)がよくあります。

紙が破れると、ビスの保持力はゼロになります。

これを防ぐためには、専用の「ボード用ビット」を使うか、ドライバーのクラッチ機能を弱めに設定して、慎重に締め込んでください。

理想は、ビスの頭が紙の表面より0.5mm〜1mmほど沈んでいる状態です。

こうすることで、後からパテを埋めた時にビス頭が隠れ、クロスを貼った時にボコッと浮き出るのを防げます。

地味な作業ですが、このビスの深さ調整こそが、仕上がりの美しさを左右する最大のポイントなのです。

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まとめ

PB下地とは、石膏を芯材とした板状の建築材料で、プラスターボードと石膏ボードは同じものを指します。

図面では「PB」と表記され、一般石膏ボード(GB-R)から構造用石膏ボード(GB-St)まで用途に応じた種類があります。

安価で施工性に優れ、優れた耐火性と遮音性を持つ一方、水分や点の衝撃に弱く、重量物の取り付けには専用アンカーが必要です。

水回りでは耐水性タイプを選び、適切な湿気対策を行うことが重要です。

他の下地材と比較してコストパフォーマンスに優れているため、適切な知識と施工方法を身につければ、現場で信頼される建築のプロフェッショナルとして活躍できるでしょう。

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